12月になると色彩関係の各機関から、
来年の色
が発表されます。
今回はアメリカのパントン社が選んだ2020年の色をご紹介しますね。
パントン社(アメリカ)は、色見本帳を扱う会社で、デザイナーやクリエイターであれば誰もが知っている会社です。
一時期ソフトバンクが販売していた色合いのかわいい携帯、PANTONEで聞いたことある方も多いと思います。
パントン社は毎年、世界経済や世界情勢、文化、美容、ファッション、インテリアといった様々な視点から調査をし、来年のトレンドカラー(Color of the Year)を発表しています。
2020年の色はクラシックブルーが選ばれました。
https://www.pantone.com/color-intelligence/color-of-the-year/color-of-the-year-2020
(パントン社のサイトを貼っておきます。こんな色です)
日没後の空を想像させる、安らぎの青です。
古典的、悠久の青。
timelessなブルーと表現されています。
日本人は青が好きな民族と言われているので、クラシックブルーは日本人に馴染みのある青ということができるでしょう。
パントン社によると、これからはテクノロジーの発達を背景に「信頼と信用を必要とする」時代。そのような時代を生き抜くために必要な安らぎをもたらし、そして新しい繋がりを築くための会話を促してくれる色とのことです。
以下は古橋考察ですが、
テクノロジーの発達は私たちにこれまでにない利便性をもたらしますが、その分、顔が見えないコミュニケーションも増えています。それゆえ、今まさに信頼と信用を媒介にしたコミュニケーションのあり方というものが再検討される時代が到来したのかもしれません。
PCやスマホ越しにいろんな人と繋がっているようで、実は1人で戦っている人、意外と多いと思います。引きこもりや高齢者の孤立の問題。子育てだってそう。「子育て」が「孤育て」になっている人への救済がようやく政策課題として取り上げられ始めている段階です。
繋がっているようで実は繋がっていない、以前からみんながうっすらと感じていた危機感が現実問題として現れてきた現代社会に、ある種の「処方箋」を与えてくれる色だと思います。
では、これまで選ばれてきた色はどのような色だったのかというと、
2019年はサンゴのようなリビングコーラル
https://www.pantone.com/color-intelligence/color-of-the-year/color-of-the-year-2019
(パントン社HP)
2018年は鮮やかなウルトラバイオレット
https://www.pantone.com/color-intelligence/color-of-the-year/color-of-the-year-2018
(同上)
でした。
どちらの色からも「動的なイメージ」が感じられますね。
リビングコーラルは私たちに活力を与えてくれるし、
ウルトラバイオレットは抗えない神秘性を感じさせます。
これに対してクラシックブルーは安らぎを与えてくれる色。静的な寒色が選ばれたのも久しぶりです。
環境問題、紛争などの世界情勢も選定するにあたって考慮されるので、世界が落ち着いた状態=平和への願いが込められた色なのかもしれません。
ファッションやプロダクトの関係者は毎年かなり注目しているので、
時代の最先端を取り入れる絶好の機会です。
ぜひ、コーディネートに取り入れてみてくださいね♪
次回は日本流行色協会が発表した「2020年の色」について記事を書きたいと思います。
日本の機関なので、パントン社とは全く異なった視点から選定していて面白いです。
2020年の日本、一体何色でしょうか??