計量検定所での勤務を経て、採用2年目から本庁に異動した私。
異動先は同じ生活文化局の取引指導課というところでした。仕事内容は、特定商取引法や消費生活条例に違反した事業者に対し、行政指導や行政処分を行うところです。
これまで総務部門しか担当したことのなかった私にとって、初めての事業担当は未知の世界です。
そして念願の、待ちに待った本庁勤務となりました。
これまで出先で勤務していた私にとって、西新宿のシンボルとも言えるツインタワーでの勤務はワクワクしかありません。今まで飲み会でしか会えなかった同期にもたくさん会えます!!新しい職場は、そんな高揚感から始まりました。
でもさすがは本庁。
出先ののほほん感とは違い、やっぱり仕事のスピードが早い。私が勤務していた課はそんなに多忙なところではありませんでしたが、少なくとも1.5倍くらいのスピード感が要求されます。
また、出先で濃かった人間関係は本庁ではあっさりめに感じました。そのかわりみんな鬼のように仕事ができます。
例えてみれば、カレーくださいっていったら常にカツカレー出てくるみたいな感じでしょうか。周りの人はみんないい人で、まだ若くて世間知らずな面もたくさんあった中、厳しくも愛情ある指導をたくさんしていただきました。
当時私が行っていたお仕事は、1番はじめに書いたように「特定商取引法や消費生活条例」に基づいて、法令や条例違反をした事業者への行政処分や行政指導を行うことでした。私の担当はエステ業者や芸能事務所で、消費者の証言や私たちが行う調査の結果が法令に違反しているかを検討することはもちろん、事業者が行方をくらましてしまう前に処分を言い渡すようにしないといけないため、スピード感と度胸が試される職場でした。
特に事業者の代表取締役や社員と向き合う時は、相手の言い分に屈服しないための並々ならぬ度胸が試されます。それぞれの職員は自分の裁量で仕事を進められる代わりに、案件の責任も各自で抱えるというような、役所にはあまりない風土の職場でした。
そのような環境に身を置いて、なんとなく「あ、自分はこういう仕事が向いているのかも」と思い始めたのでした。
個人の裁量が広く、目の前の仕事に没頭できる
仕事に要求されるスピード感
情報を自ら取りに行くフットワークの軽さ
消費者や事業者と直接向き合う対人的なお仕事である
この4つの柱に支えられ、当時の私はそれなりのやりがいを感じていました。
現に2年間の在籍中に2回の行政処分を行いましたが、どちらも関東圏のニュースに取り上げられ、こんなヒラ職員がやったことでもニュースになるんだ!とすごく感動したことを覚えています(もちろん私1人の成果ではないことは分かっていますが)。
そして、着任して1年目はいっぱいいっぱいでしたが、2年目になると少しだけ余裕ができ、自分の好きな勉強をしようと思い始めました。
しかし今まで仕事のこと以外特に何かやりたいと思ったことはなく、何気なく本屋さんの資格試験のフロアをうろうろして、直感だけで手を伸ばした資格の本が、
東京商工会議所で行っている「カラーコーディネーター」
の参考書でした。
普通は3級から受けるのですが、私は2級から受験し、地元と新宿の往復の電車で勉強した結果、無事合格。公務員試験の合格以来「合格」の文字を見ることが久しぶりだったため、この合格は素直に嬉しかったです。
カラーコーディネーターの試験勉強も特に辛いだとか嫌だとも感じず、むしろ色彩心理や色彩活用の分野が楽しくて、全く勉強している気がしなかったのでした。今考えるとこの経験が、イメージコンサルタントとしての活動のきっかけなのかもしれません。
そして同時に2年目の終盤を迎えた頃の私は、
そろそろ異動してもいいかなーと思い始めるようになりました。
そして何気ない気持ちで異動希望のところに、「異動してもいいよ」という旨と、異動先をいくつか書いたのでした。
都庁での人事異動には、
○局内異動
と
○局間異動
の2種類があります。普通、局間異動は昇任試験に受かったら行われるので、今回私が異動希望を出しても局内の異動だと勝手に思っていました。しかし、2月下旬のある日、直属の課長に呼ばれて、
「議会局に局間異動なので、面接に行ってきてね。」
と言われたのです。
議会局??そういえば下の方に書いたような。。。
このあたりから、運命の歯車は狂い始めるのでした。。。