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元公務員が起業した時の3つの「底力」



 こんにちは!古橋香織です。

 しばらくファッションネタが続きましたが、今回は少し違う視点で記事を書いてみます。あくまで私の主観に満ちあふれた内容なので、へー、こういう考え方もあるんだなーと思いながらお読みください。

 私の前職は公務員(東京都の職員)をしていました。そこから全くの異業種であるイメージコンサルタントという仕事で起業して、今3年目になります(ちょうど2年目に法人化しました)。

 一般的に聞かれるのが、一度公務員の世界を踏んでしまった人は公務員から抜け出すのが大変、ほどほどの器用貧乏かつ平々凡々なイメージが付き纏うため娑婆の世界ではスキルがまったく評価されないという意見ですが、私が思うにその表現は誤解が多く、今や役所はそんなにぬるま湯みたいな場所ではありません(きっぱり)。たしかに民間のように「ノルマ」や「利益」という概念はないですが、自分の頑張りが大々的に認められない組織風土であるとか、仕事に取り組む際のモチベーション管理の観点からも、公務員は公務員で結構大変なのです。

 そんななか、私は8年間公務員を勤めて退職したわけですが、利益感覚のない、営業スキルのない元公務員だからって全然芽が出なかったわけではありません(もちろん起業してしばらくの期間は鳴かず飛ばずでしたがそんなの当たり前で)、むしろ役人として叩き込まれた気質が起業する上で有利に働いたな、と今考えれば思えることもたくさんあります。公務員の特性って起業に向いているの?と思う方、私個人の意見ではありますがお読みいただけると嬉しいです。

①「淡々と」が苦じゃない

 役所の仕事は個人に割り振られた小さな小さな業務が束となり、大きな流れとなって住民の生活を支えています。このため他の業界の人であれば嫌になって投げ出してしまうような、ゴールが見えづらい淡々とした業務をコツコツ続けることがあたりまえになってきますが、言うまでもなく公務員を続けるとその耐性が付いてきます。起業の世界も同じで、SNSでの発信などすぐには絶対に成果が出ないのはあたりまえです。それをひたすら続けることで少しずつ、少しずつ前に進んでいく世界です。私も起業してからはTwitterやインスタグラム、noteなど様々な媒体で積極的に発信していますが、他の同業者の更新がどんどん滞っていく中で定期的な更新を続けていられるのは、役所で鍛えられた「小さなことをコツコツと」に対しての耐性によるものなんだな、と思います。

②スキルや知識の習得に素直でフラットな視点を持っている

 公務員から起業するということは、何か専門的な知識やスキルを習得するということだと思います。私もファッションやメイク、イメージ戦略を在職中に勉強して独立しました。公務員の仕事はゼネラリスト、特に私のような事務職だとその傾向は強いと思います。しかし、このゼネラリスト気質は起業するあたってとてもいい感じに機能しました。だって、イメコンのスキルから法人のまわしかたまで、公務員時代には絶対に習わない知識やスキルなわけなので「自分はこうしたい」のような変なこだわりが「いい意味で」ないんです。ゆえに知識の習得にはあまり苦労せず、むしろ役所で習得した「公務員としての最低限の知識(PCスキルや社会常識など)」によって助けられたシーンが多かったです。特にイメコンの業界は資料作りが苦手な人が多いので、パワーポイントのスキルは労働型以外に継続的に販売できる「商品」づくりに大いに役立っています。

②起業するにあたって「背水の陣」になる

 今は副業が当たり前になってきた世の中ですが、公務員の世界ではまだまだ副業が解禁されるのには時間がかかりそうです。なので、「何か始めたい」場合は公務員を退職して始める必要があるわけです。ようは退路を断たなければならないんですね。しかしこの「退路を断つ」という行為は精神的にも金銭的にも大きなハードルになるのですが、自分を追い詰めることで副業組にはないスピード感と限界突破の力を発揮します(ただしこれは一時的です)。要因としては公務員特有の真面目さだったり、そして組織からの開放感もあるのかな‥なんて思います。ちなみに私も、うまくいかないことが当たり前の起業直後から軌道に乗るまでは、「私は公務員を辞めたんだ!!!」というプライドによって支えられていたと言っても過言ではないです笑。仕事を辞めることにここまでのパワーを使う職業ゆえ、起業後は他の人よりも比較的軌道に乗るまでがはやい方が多いんじゃないかなと思います(もちろん業種とか本人の性質によりますが)。

 こんな感じで、私が感じたことをまとめてみました。役所以外の業界では潰しがきかないとされている公務員は「小さなことをコツコツ」「知識の習得に素直」「辞めた後のギアのかかり具合」など、起業するという視点から見ると決して「根性なし」ではないと思います。ただ私は公務員から起業したい!って人がいたら、大手を振って「おおおーいけいけー!!!」とはならないかな。背景や理由を聞いて「あ、行けるんじゃないかな!」と思ったら優しく背中を押すと思います。

 ではでは今日はここまで。ぜひ、一意見として参考にしてみてくださいね。

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